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2025年5月25日日曜日

韓国でクロハゲワシを守る人々 越冬地・パジュを訪ねて


2月にパジュを訪れました。

韓国でクロハゲワシの保護活動が行われています。その始まりは、韓国の高校教師キム・ドクソンさんが、私費で餌やりを始めたことにあるそうです。山間部で衰弱している個体を目にし、手を差し伸べたのがきっかけでした。

クロハゲワシ(영양머리독수리/검독수리、英名:Cinereous Vulture)は、ユーラシア大陸の広範囲に分布する大型の猛禽類です。繁殖地はモンゴル周辺の乾燥地帯で、冬になると約3,000km離れた朝鮮半島に渡り、越冬します。

かつてはオオカミの狩りの残りや、農家が廃棄した肉などを食べて生きていましたが、近年は都市開発や環境の変化によりそうした自然な餌が得られなくなってきました。その影響で、韓国国内では餓死する個体が確認されるようになったといいます。

https://note.com/kankoku_kusanone/n/n6f4a6c494f11

韓国国内ではこうした状況に対応する形で、民間レベルでの保護活動がいくつかの地域で行われています。キム・ドクソンさんは江原道・固城(コソン)で活動していますが、私が調べたところ、ソウルの北にある鉄原(チョルウォン)や坡州(パジュ)周辺でも同様の活動が行われているとの情報がありました。

https://www.newspenguin.com/news/articleView.html?idxno=18281

越冬地・パジュについて
パジュは、ソウルから車でおよそ2時間。北朝鮮と接する非武装地帯(DMZ)に隣接する地域で、過去には一般の立ち入りが大きく制限されていました。現在では一部エリアが開放され、自然観察や環境保護活動の場として利用されています。

この地域には、戦争の記憶と自然の再生が同居しており、河川や湿地を中心に野鳥や希少種のモニタリングも行われています。クロハゲワシもその一部で、冬の間、この地に滞在し、餌場に現れます。

私が訪れたのは、坡州市文山邑長山里(パジュ市ムンサンウプ・チャンサンリ)にある保護拠点で、ここでは「임진강생태보존회(臨津江生態保存会)」という団体が活動しています。

ここでは毎週火曜・木曜・土曜の午前9時30分ごろからクロハゲワシへの給餌を行っており、1人10,000ウォンで参加・見学が可能です。

現地情報と連絡先
以下が公式案内です。なお、案内は韓国語となるため、訪問前に必要な情報を翻訳しておくと安心です。
私は知り合いに車で連れて行ってもらいました。ほとんどの人は自家用車でしたが、Kakao Tできている人もいました。KakaoTのチャーターでソウル駅から150,000ウォンほどだそうです。
📍 경기 파주시 문산읍 장산리 36(Naver Map
💰 体験参加費: 1人 10,000ウォン
📅 活動日: 火・木・土曜日、午前9:30から
(2025年は3月までです 来シーズンは12月ごろだと思われます)

こうした取り組みは、大規模な組織ではなく、地域の人々や個人の努力によって支えられています。韓国旅行で最先端の街だけでなくこのような自然との共存を体験できる機会です。 生きものと人間の接点を知るという意味でも、現地を訪れる価値はあると感じました。